令和6年5月 夕凪グループ勉強会
令和6年5月夕凪グループ勉強会
「入浴介助研修」
令和6年5月17日(金)
講師:夕凪グループ社員
黒川 多司馬
勉強会委員
令和6年5月の勉強会では、夕凪グループ社員で理学療法士資格を持つ黒川多司馬氏と勉強会委員を中心に入浴介助の研修を行った。2つのケースの症例を元に想定動作を行いながら、入浴介助を手順ごとに区切り検討を行う。また、基礎的な介助技術として、車椅子座位⇔ベッド上仰臥位の介助も行う。
【ケース1】
男性 脳卒中後遺症 左片麻痺
【ケース2】
女性 右下肢大腿切断
〈脱衣〉
片麻痺の場合は原則非麻痺側から脱ぐように介助を行う。
また、装具をしている場合は転倒のリスク低減の為、下衣を膝辺りまで下した後に座位にて装具を外すようにする。
ケース2の女性の場合、下肢支持力が低下しており全介助となっている為、下衣操作は2人以上で対応となる。
〈移動・移乗〉
浴槽内は床が滑りやすくなっている為、移動の際は転倒に注意を要する。今回のケースではどちらも車椅子から特浴の椅子への移乗であった。麻痺のある方の移乗は原則では非麻痺側への移乗を行うが、入浴時では素足となっておりリスクが高くなる為注意を要する。
〈洗体・洗髪〉
片麻痺の方では洗えない範囲もある。洗えない範囲・洗い残し部位を介助にて洗身・洗髪する。ループタオルなど補助具もあるが、今回は使用無しの想定でおこなう。
〈入浴〉
浴槽の跨ぎ動作が必要な場合は、支持基底面の狭小化・重心移動等により転倒リスクが高くなるため、手すりの使用や、場合によってはバスボードの使用も検討する。今回のケースは両名とも特浴対応である為、特浴の使い方を改めて学ぶ。
〈着衣〉
片麻痺の方は脱衣の際とは逆で、麻痺側からの着衣となる。下衣を上げる際は、リスク軽減の為下肢装具を付けた後に立位をとるようにし、下衣操作を行う。
【まとめ】
夕凪グループでは様々な職種が入浴介助に関わっている。日常の業務の中でなんとなく知っていたという事も、改めて学ぶことが出来た。
入浴行為は、服の脱着も含めてすべての工程で転倒等の事故のリスクの大きい行為である。今回のような研修を定期的に行う事で入浴時の事故が起こらない様徹底していきたい。
また、それでも事故は起こるものと考え、次回以降では事故が起こった際の対応なども学べたら良いと感じた。