平成30年12月職員勉強会

「呼吸器疾患の理解 ~誤嚥性肺炎について~ 」

講師:滝宮総合病院 

岸 俊行 先生

 人間の死因のTOP3は1位 悪性新生物、2位 心疾患、3位 肺炎である。3位にある肺炎だが、96.6%以上が65歳以上の方である。また70歳以上の方の肺炎のうち80%が誤嚥性肺炎である。誤嚥性肺炎は誤嚥してしまったことによって肺炎になる病気である。嚥下するには、喉頭蓋の機能が重要になる。喉頭蓋の機能は、空気や食べ物を気管と食道にそれぞれを振り分けるためのストッパーのような役割を担っている。その機能が加齢や脳の病気などによって嚥下機能の低下や喉頭蓋の動きの低下が誤嚥に繋がっている。

 肺炎には、顕性肺炎と不顕性肺炎の2種類がある。不顕性肺炎は最近を含んだ唾液などの分泌物を誤嚥することによっておこる誤嚥である。唾液は耳下腺、顎下腺、舌下腺から分泌されており5つの作用がある。浄化作用、殺菌作用、消化作用、再石灰化作用、緩衝作用がある。これらの作用を持つ唾液だが、加齢や脳の病気などによって分泌が低下し、口腔内が不清潔になってしまう。

 誤嚥性肺炎の予防方法には主に7つある。

1 .口腔内を清潔に保つ
2 .胃液の逆流を防ぐ
3 .嚥下反射の改善
4 .薬物療法
5 .食事姿勢
6 .食事形態
7 .食塊形成

である。また、誤嚥性肺炎は年齢、意識障害、呼吸状態、脱水の4つで予後が決まるとも言われている。

 私はこの学んだことをこれからの日々の業務で生かしていきたいと思う。なにげなく行っていた朝の体操の中で首や舌を動かすこと、大きな声を出す発声練習が誤嚥を予防するために役立っていることを認識することができた。また、昼食やおやつを提供する際に利用者様1人1人に対してトロミがついているか、1口大に切れているかなど細かいところまで確認を行って誤嚥をしっかりと予防できるようにしていきたい。

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