令和2年2月 夕凪グループ勉強会

「喫煙、受動喫煙防止」について

 令和2年2月21日(金)
講師:香川県予防医学協会、日本禁煙学会理事
森田 順二 先生

今回の夕凪グループ勉強会は「喫煙、受動喫煙防止について」という議題で、香川県予防医学協会、日本禁煙学会理事の森田 順二先生が講演をして下さいました。

 講演では主に、喫煙によって起こる呼吸器疾患、慢性閉そく性肺疾患(COPD)についてのお話がありました。受動喫煙は、喫煙者の周りにいるだけで起こるものという認識でした。しかし、その周りの人にいた人に付着したニオイや粒子などから更に、他者に3次的に受動喫煙が起こるものなのだということを講義の中で初めて知りました。また、大気汚染、PM2.5についてのお話もありました。これまでは中国からくる黄砂や花粉などが原因の自然現象ともいえるものだという認識でしたが、講演を聞き、PM2.5のPMは大気中に飛んでいる微小物質のことで2.5というのは2.5㎛以下、という意味でした。ようするに、2.5㎛以下の超微小物質が宙を舞っている状態のことで、この微小物質にタバコの煙なども含まれており、PM2.5はいろいろな原因で生まれるものだと知りました。

講義の中ではCOPD以外にも、今話題のコロナウイルスについて話があり、とても興味深い内容でした。コロナウイルスは喫煙している方や男性、高齢者には特に重篤な症状が出やすいことも学びました。また、糖尿病や喘息、COPDにかかっていることなどもコロナウイルスを重症化させる要因になると言われていました。中国の武漢市でも重症化しやすく死亡率が高いのは上記に述べた条件を満たしている方が多いようです。また、コロナウイルスが重症化する因子はインフルエンザにも同じことが言えるそうで、喫煙している方のほうが、インフルエンザにもなりやすく重症化しやすいとのことでした。

講演ではCOPDやコロナウイルスに関係する画像や動画も流してくださり、非常に分かりやすく、同時に怖さを感じることも大いにありました。私たちが生活している香川県は全国で比べても禁煙活動が盛んな方で、タクシー内全面禁煙化など早い段階での実施に成功しているそうです。それらの成果もあり、2016年度での喫煙率は下から数えて4番目に位置するそうです。

喫煙に対し、禁煙という言葉がありますが、アイコスの登場などもあり、最近はその言い方も変化しているそうです。電子タバコに対しては禁煙ではなく、タバコフリー、という言い方になるそうです。聞き慣れない感じがしますが、これから浸透してくる言葉かもしれません。意外だったのがアイコスなどの加熱式タバコは、エアロゾルという微粒子を吸うもので、紙巻たばこよりも人的な害が大きいということでした。

 現在、夕凪グループを利用されている利用者様にも、喫煙歴のある方や自宅で喫煙している方はいらっしゃいます。今までは喫煙は良くない物だ、という漠然としたイメージでいたのですが、今回の講義を聞き、「今は良くても将来、多大な影響を与えるもの」「できればすぐにでもやめる必要があるもの」と痛感いたしました。私自身は喫煙する習慣はありませんが、周りに喫煙する方がいれば声掛けをして、自分の体のことを大切にしてくださる方が一人でも増えればいいな、と感じられるようになりました。

 また、喫煙していない方でも、喫煙とは無関係だと思わず、全員で関わっていく必要があると感じられました。

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