令和4年7月 夕凪グループ勉強会

令和4年7月夕凪グループ勉強会
「高齢者虐待・身体拘束廃止に向けて」

令和4年7月15日(金)
講師:行政書士  赤木事務所
赤木 真二 先生

令和4年7月の勉強会では、虐待と身体拘束について学んだ。

人権とは
人権とは本来全ての人が生まれながらにして持っている天賦の物であり誰かに与えられるものではない。しかし、放っておけばどうしても人権が侵害されてしまう事がある。その為憲法において人権が規定されている。そして虐待や拘束はまさに人権侵害の何物でもない。
高齢者の虐待防止や擁護者の支援に関しては「高齢者虐待防止法」として法で定められており、福祉事業者は誰よりも人々の人権を守っていかなければならない立場にある。

虐待とは
虐待とは繰り返しまたは習慣的に暴力をふるったり、暴言を浴びせたり嫌がらせを行うなど冷酷、冷淡な接し方をしてしまうことであり、①身体的虐待 ②心理的虐待 ③介護放棄 ④経済的虐待 ⑤性的虐待の5つの種類がある。そして虐待は重大な人権侵害であると同時に犯罪行為であると理解したうえで問題に取り組む必要がある。

擁護者による虐待
終わりの見えない介護や、日々募る苛立ちから気が付かないうちに感覚がマヒしてしまい「動けないように身体を拘束する」「大声で叱咤する」「食事の世話を怠る」等といった擁護者による虐待も起こり得る。私たち福祉従業者は家族の苦悩にも目を向け虐待の早期発見と未然の防止に努めなければならない。

福祉事業者等による虐待
日々の業務の中で精神的・身体的に負担も大きいが全くもって言語道断である。福祉従業者はプロの仕事として、限られた条件の中でも創意工夫、協力して最良のサービスを提供していく必要がある。
しかしながら、気づかないうちに虐待行為を行っている事もある。その為、外から自分を見つめる目(自己知覚)をしっかりと養っておくことが重要である。

拘束とは
人の自由や精神(行動や判断、意思表示、思想など)を何らかの形で制約する(奪う)ことであり、身体的なものに限らず言葉による拘束(スピーチロック)がある。
介護保険指定基準上、利用者本人又はその他利用者の生命や身体を保護する為やむを得ず身体拘束を行わなければならない場合がある。その場合は以下3つの要件を全て満たす必要がある。①切迫性(生命の危機にさらされる場合が極めて高い場合) ②非代替性(他に取りうる手段が全く見出せない) ③一時性(拘束を最小限に抑え、出来うる限り早期に解除する可能性が見出せる)。そして家族様、施設長、医師をはじめ関係職種の同意のもとにやむを得ず実施する事が認められている。あくまでも生命の保護が目的であり、施設や介護上の都合などでの実施はあってはならない。

今回の講義を聞いて、サービス提供中の事故のリスクを下げるために行う声掛けや、介助の仕方においても、相手の受け取り方によっては、自分にそんなつもりは無くても虐待や拘束に繋がってしまう恐れがある事が分かった。
介護の仕事に携わっていく上で、一人ひとりが人間の尊さを自覚し、日々反省と勉強を積み重ね、家族の想いや安全性への配慮、そして何より利用者様の想いをくみ取り、より質の高いケアを提供していけるようにしたい。

夕凪グループ一覧

PAGE TOP