2022.09.30
令和4年9月 夕凪グループ勉強会
令和4年9月夕凪グループ勉強会
「BCP作成演習」
令和4年9月16日(金)
講師:幸楽苑 近江 照博先生
演習目的
- 各自が災害への備えができ、対応できるようにする。
- 災害対応マニュアルおよびBCP策定における地域資源の再確認を行う。
➡演習成果が平常時および災害時のケアマネジメントに反映される。
専門職が災害時に適切な避難行動支援をとり利用者の生活を守ることができるようにする。
4つのタイムフェーズ
生活を立て直していく為におおきく分けて4つの段階を1つずつ進んでいく
・フェーズⅠ 失見当(災害発生~10時間)
失見当は災害時では「震災の衝撃から強いストレスを受けて、自分の身のまわりで一体何が起こっているのかを客観的に判断することが難しくなり、視野が狭くなってしまう状態」のこと。
・フェーズⅡ 被災地社会の成立(災害から2~4日間)
失見当の時期が終ると、だんだんと客観的に物事がみられるようになる。そして、災害という新しい現実が目の前に突きつけられたことを理解する事となる段階。
・フェーズⅢ 災害ユートピア(災害後2~4日間から災害後2ヶ月)
災害によってできた新しい環境の中で毎日を精一杯生きるために、みんなでルールを作って、避難所などで炊き出しをしたり、支援物資を分配しながら生活をする。そこには性別や年齢、災害が起きる前の社会的な地位は関係ない、このような一種の原始共産制のような社会の状態がしばらく続く。
・フェーズⅣ
4つめの段階は「現実への帰還」の段階である。上下水道や都市ガスなどのライフラインが回復していくと、自宅で日常生活が送れるようになるため、家屋の被害が軽かった人などから自宅に戻っていく。避難所などでみんなが一緒に頑張った「災害ユートピア」の時期が終わりを迎え、人々が「被災者から市民として」新たな日常生活の中に戻っていく。
このように災害からの生活再建をみても、それぞれがバラバラにむやみやたらに生活を建て直しているのではなく、4つの段階をひとつずつふまえながら順番に生活を建て直しているのである。
グループワーク実施
各事業所にわかれてのグループワークを実施する。ガイドラインに沿って事業所ごとに課題となりうる事を抽出するための以下の検討を行う。
- リスクの把握
- 平常時の対応(通信が麻痺した場合の対策)
- 平常時の対応(トイレなど衛生面の対策)
- 平常時の対応(必要品の備蓄)
- 緊急時の対応(職員の安否確認)
今回は検討した内容は比較的策定しやすい項目であったが、他施設との連携に関する項目は特に策定が困難になるとの事。より実効性の高いBCP策定を行う為、「策定したら終わり。」ではなく訓練、修正を繰り返していくことが重要となる。
所感
上記のフェーズを意識し、そのフェーズでなにが必要なのか、どう行動したらよいのか等を考えながらBCP作成演習に取り組んでみて、BCP作成することで様々な意見を聞けたり、お互いの考え方や情報を共有し意見を出し合う事で災害時の動きのすり合わせをしたりできたと感じました。BCP作成にあたって、内容は常に更新されていくものだと伺いました。定期的に内容をスタッフ間で話し合い、情報共有しながら新しい物に更新し続ける事も訓練の一環になると思いました。